写真、機材、史跡等々についてのつれづれ日記
・しばらく前から、湿度が下がっていない
令和5年に購入した防湿庫2号館(トーリハン NDC-602G-AX)。我が家に来てまだ1年ちょっとですが、かなり古い機械です。
2024年も6月になり、湿度が高くなってきました。ふと2号館の湿度計を見ると、58%位。いつも50%に設定していましたが、周りが高すぎて下げ切れていない?。設定を45%程度にしてみました。しかし、時間が経過しても設定湿度になりません。それどころか、一度扉を開けて湿度が上昇した後、60%程度から下がっていません。これは故障?
・外蓋が閉じない
裏側の除湿モジュールを見てみると、外蓋が開いて排熱しています。手をかざしてみると結構熱い。インターネット情報では、同じ形式の防湿庫でも「手で触れる温度」とのことですが、うちのは秒未満の時間なら触れないこともないですが、かなり熱いので数秒は無理そう。一般的には「触れない温度」に含まれるのではないか。やはり異常なのでは。
・除湿モジュールの仕組み
そもそもどういう仕組みなのか。観察してみると、除湿モジュールには、外扉、内扉があり、両扉は、鋼線で繋がっています。このため、どちらかが閉じるとどちらかは開くようになっています。電源オフ状態では、外扉が閉じていて、内扉が開いています。
ネット情報によると、この鋼線は、形状記憶合金に繋がっており、熱で形状記憶合金が変形したり、冷めて元に戻ったりすることを利用して閉じたり開いたりしているそうです。つまり、形状記憶合金が冷めた状態で内扉・開、外扉・閉、温まった状態で、内扉・閉、外扉・開です。
その扉に挟まれたモジュールの中には乾燥剤があり、内扉が開いている時には常温で吸湿、外扉が開いている時には加温することで除湿剤を乾燥し、水分を外に放出する、というおおまかな仕組みのようです。
・除湿モジュールは常に熱いようだ
一旦抜いておいた電源プラグを差してみます。時間が経つと外蓋が閉じるのでしょうか。正常な時にこの動作を確認しておけばよかった、と思いながら、インターネットを調べると、プラグを抜いた状態から接続した場合、 庫内湿度に関わらず乾燥剤を乾燥させる「強制乾燥モード」になり、乾燥が終わると外蓋を閉じて「除湿モード」に移り、以降、庫内湿度に応じて扉を操作することで湿度を調整するそうです。
両扉閉動作ができない構造なので、適湿になった時の動作がわかりませんが、内扉開、外扉閉で、加温しないで停止でしょうか(除湿剤の性能分、低くなりすぎる可能性ありですが)。
テストとして通電開始。1時間後。外扉は空いたままです。手で熱を感じて見ると、外蓋開口部から上がってくる排熱もかなり熱い感じです。
半日置いてみました。やはり外扉開いたまま。排熱も熱い。さすがに長すぎでは。熱が防湿庫の部品を伝わって周りの温度も上がっており良い状態ではなさそう。
・分解してみた
除湿モジュールを防湿庫から取り外し、分解してみました。3×5cmくらいの小型の基盤と、除湿剤が入った加温モジュール、扉を開閉する形状記憶合金が入っていると思われるモジュールの大きく3つで構成されています。
基盤と加温モジュールを隔てているケースのプラスチック壁が変形している!。この壁の近くに電流制限用と思われる抵抗があり、これが想定を超えた時間使われることで発熱量が大きくなりすぎ、プラスチックが変形したようです。
変形の程度は小さく、これまで数時間入れっぱなしにしていてこの状態なので、危険性はあるが、即火災という感じではないと判断しました。
・基盤は複雑ではない
強制乾燥モードから通常モードに移る機能が作動していない状態で、これは基盤による制御と思われ、基盤を確認してみました。トランジスタ、抵抗、ダイオードのほか、ICが二つ。ICは一つはカスタムICの可能性がありますが、どちらも汎用品では。いずれにしろ、すべて合わせても20個ほどのパーツであり、一つずつ交換していけば修理できそうです。
防湿庫の買い替えも考えましたが、まずは修理にトライしてみることにしました。
・電解コンデンサが怪しい
なかなか抵抗の故障というのはないと思われます。ダイオードもあまり壊れなそう。トランジスタ、ICは熱による故障の可能性もありますが、まず疑わしいのは、寿命のある電解コンデンサ。すべての機器においてよくある故障です。
基盤上には大25v220μF、小50v1μFの二つあります。電源に近い方の大きいコンデンサはおそらく電源平滑用。小さい方はなんだろう?。部品的な耐久時間は2,000時間程度と思われ、防湿庫が稼働していた時間全てとはなりませんが、かなり古い機械なのでおそらく寿命を迎えているはず。
見た目は、激しく漏れていたり、膨らんでいたりという異常はなさそうですが、電解液の減少などが起こっているのではないでしょうか。
これをまず交換してみます。
・発注
2種類をモノタロウで発注。一般的に2,000時間対応のようです。使われていたのもそのようなタイプ。ラインナップを見てみると、大きい方は7,000時間のものがあったのでこちらにしました。5個単位。小さい方もできれば7,000時間対応にしたかったですが、ちょうど良いのがなかったので、こちらは2,000時間。1個単位での購入。小さい方はなかなか発送されず、5日程かかって到着しました。
・交換
部品がそろった夜、早速交換作業。ひさしぶりにはんだごてとはんだ吸い取り線を用いて吸い取り。なんとか旧コンデンサを外し、新コンデンサと交換しました。はんだ付け後、ショートがないか確認します。問題ない。取付方向もOKそうです。では通電。
・外蓋が閉じた
除湿モジュール単独で観察。電源を入れて強制乾燥モード。以前は、このまま乾燥モードが続き、危険な温度になっていました。ヒーター加熱が進み、だんだんと外蓋が空いてきます。さて、無事ヒーターが切れて外蓋が閉じてくれるでしょうか。約30分。除湿ユニットの温度が下がってきている気がします。ヒーターがオフになった?。であれば、しばらくして温度が下がれば外蓋が閉じるはず。少し様子を見ていると、無事外蓋が閉じました。除湿ユニットの温度も下がっています。これは直ったと判断して良さそうです。
・除湿モジュールを防湿庫に設置
除湿モジュールをもと通り防湿庫に固定。動作状況を見てみます。20分ぐらいで強制乾燥終了後、徐々に外扉が閉じていきます。動作正常のようです。後10年位は大丈夫かな。
令和5年に購入した防湿庫2号館(トーリハン NDC-602G-AX)。我が家に来てまだ1年ちょっとですが、かなり古い機械です。
2024年も6月になり、湿度が高くなってきました。ふと2号館の湿度計を見ると、58%位。いつも50%に設定していましたが、周りが高すぎて下げ切れていない?。設定を45%程度にしてみました。しかし、時間が経過しても設定湿度になりません。それどころか、一度扉を開けて湿度が上昇した後、60%程度から下がっていません。これは故障?
・外蓋が閉じない
裏側の除湿モジュールを見てみると、外蓋が開いて排熱しています。手をかざしてみると結構熱い。インターネット情報では、同じ形式の防湿庫でも「手で触れる温度」とのことですが、うちのは秒未満の時間なら触れないこともないですが、かなり熱いので数秒は無理そう。一般的には「触れない温度」に含まれるのではないか。やはり異常なのでは。
・除湿モジュールの仕組み
そもそもどういう仕組みなのか。観察してみると、除湿モジュールには、外扉、内扉があり、両扉は、鋼線で繋がっています。このため、どちらかが閉じるとどちらかは開くようになっています。電源オフ状態では、外扉が閉じていて、内扉が開いています。
ネット情報によると、この鋼線は、形状記憶合金に繋がっており、熱で形状記憶合金が変形したり、冷めて元に戻ったりすることを利用して閉じたり開いたりしているそうです。つまり、形状記憶合金が冷めた状態で内扉・開、外扉・閉、温まった状態で、内扉・閉、外扉・開です。
その扉に挟まれたモジュールの中には乾燥剤があり、内扉が開いている時には常温で吸湿、外扉が開いている時には加温することで除湿剤を乾燥し、水分を外に放出する、というおおまかな仕組みのようです。
・除湿モジュールは常に熱いようだ
一旦抜いておいた電源プラグを差してみます。時間が経つと外蓋が閉じるのでしょうか。正常な時にこの動作を確認しておけばよかった、と思いながら、インターネットを調べると、プラグを抜いた状態から接続した場合、 庫内湿度に関わらず乾燥剤を乾燥させる「強制乾燥モード」になり、乾燥が終わると外蓋を閉じて「除湿モード」に移り、以降、庫内湿度に応じて扉を操作することで湿度を調整するそうです。
両扉閉動作ができない構造なので、適湿になった時の動作がわかりませんが、内扉開、外扉閉で、加温しないで停止でしょうか(除湿剤の性能分、低くなりすぎる可能性ありですが)。
テストとして通電開始。1時間後。外扉は空いたままです。手で熱を感じて見ると、外蓋開口部から上がってくる排熱もかなり熱い感じです。
半日置いてみました。やはり外扉開いたまま。排熱も熱い。さすがに長すぎでは。熱が防湿庫の部品を伝わって周りの温度も上がっており良い状態ではなさそう。
・分解してみた
除湿モジュールを防湿庫から取り外し、分解してみました。3×5cmくらいの小型の基盤と、除湿剤が入った加温モジュール、扉を開閉する形状記憶合金が入っていると思われるモジュールの大きく3つで構成されています。
基盤と加温モジュールを隔てているケースのプラスチック壁が変形している!。この壁の近くに電流制限用と思われる抵抗があり、これが想定を超えた時間使われることで発熱量が大きくなりすぎ、プラスチックが変形したようです。
変形の程度は小さく、これまで数時間入れっぱなしにしていてこの状態なので、危険性はあるが、即火災という感じではないと判断しました。
・基盤は複雑ではない
強制乾燥モードから通常モードに移る機能が作動していない状態で、これは基盤による制御と思われ、基盤を確認してみました。トランジスタ、抵抗、ダイオードのほか、ICが二つ。ICは一つはカスタムICの可能性がありますが、どちらも汎用品では。いずれにしろ、すべて合わせても20個ほどのパーツであり、一つずつ交換していけば修理できそうです。
防湿庫の買い替えも考えましたが、まずは修理にトライしてみることにしました。
・電解コンデンサが怪しい
なかなか抵抗の故障というのはないと思われます。ダイオードもあまり壊れなそう。トランジスタ、ICは熱による故障の可能性もありますが、まず疑わしいのは、寿命のある電解コンデンサ。すべての機器においてよくある故障です。
基盤上には大25v220μF、小50v1μFの二つあります。電源に近い方の大きいコンデンサはおそらく電源平滑用。小さい方はなんだろう?。部品的な耐久時間は2,000時間程度と思われ、防湿庫が稼働していた時間全てとはなりませんが、かなり古い機械なのでおそらく寿命を迎えているはず。
見た目は、激しく漏れていたり、膨らんでいたりという異常はなさそうですが、電解液の減少などが起こっているのではないでしょうか。
これをまず交換してみます。
・発注
2種類をモノタロウで発注。一般的に2,000時間対応のようです。使われていたのもそのようなタイプ。ラインナップを見てみると、大きい方は7,000時間のものがあったのでこちらにしました。5個単位。小さい方もできれば7,000時間対応にしたかったですが、ちょうど良いのがなかったので、こちらは2,000時間。1個単位での購入。小さい方はなかなか発送されず、5日程かかって到着しました。
・交換
部品がそろった夜、早速交換作業。ひさしぶりにはんだごてとはんだ吸い取り線を用いて吸い取り。なんとか旧コンデンサを外し、新コンデンサと交換しました。はんだ付け後、ショートがないか確認します。問題ない。取付方向もOKそうです。では通電。
・外蓋が閉じた
除湿モジュール単独で観察。電源を入れて強制乾燥モード。以前は、このまま乾燥モードが続き、危険な温度になっていました。ヒーター加熱が進み、だんだんと外蓋が空いてきます。さて、無事ヒーターが切れて外蓋が閉じてくれるでしょうか。約30分。除湿ユニットの温度が下がってきている気がします。ヒーターがオフになった?。であれば、しばらくして温度が下がれば外蓋が閉じるはず。少し様子を見ていると、無事外蓋が閉じました。除湿ユニットの温度も下がっています。これは直ったと判断して良さそうです。
・除湿モジュールを防湿庫に設置
除湿モジュールをもと通り防湿庫に固定。動作状況を見てみます。20分ぐらいで強制乾燥終了後、徐々に外扉が閉じていきます。動作正常のようです。後10年位は大丈夫かな。
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